序文

電気透析および膜技術研究会ではこれまで、イオン交換膜に関する研究に従事している研究者の参考書となるべく、イオン交換膜の工業的応用(昭和60年山辺武郎委員長)およびイオン交換膜の工業的応用 第2集(平成5年吉田章一郎委員長)を発刊してきました。発刊にあたっては日本海水学会でご活躍されている先生を中心に執筆していただき、大変充実した内容の書籍としてご評価していただいております。

一方で、第2集発刊以降、すでに25年が経過し、その間にもイオン交換膜を取り巻く環境は著しく進歩しております。そこで、第2集に掲載されていないイオン交換膜の論文を含む日本海水学会誌41巻~70巻の中からイオン交換膜に関連する報告を抜粋し、イオン交換膜の工業的応用 第3集として発刊する運びとなりました。

発刊にあたり、イオン交換膜に関する研究従事している、より多くの研究者に見てほしい、また本研究会及び日本海水学会を広く多くの人に知ってほしいとの思いから、第3集は電子媒体での発刊に変更し、無料で広く公開することにいたしました。

現在イオン交換膜に関する研究に従事している研究者、また、イオン交換膜に関する研究を始めようとしている研究者の方々に道標となるような資料となることを切に願います。

編集委員長 比嘉 充

本資料について

海水学会誌41巻~70巻(30年分)の中から、イオン交換膜に関連する報告を抜粋し、つぎの6項目に分類して掲載しております(全90件)。

  1. イオン交換膜の基礎
  2. イオン交換膜技術の動向
  3. イオン交換膜による海水濃縮、脱塩
  4. イオン交換膜のその他の応用
  5. 機能膜の開発と応用
  6. 周辺分野の話題

イオン交換膜の工業的利用 第3集 総目次

1. イオン交換膜の基礎

巻-NOタイトル著者文献リンク
41-4イオン交換膜の構造水谷 幸雄 J-STAGE
44-21価イオン選択透過性イオン交換膜水谷 幸雄 J-STAGE
44-21価陽イオン選択透過性固定化膜花田 文夫, 大村 信彦, 鍵山 安弘, 水谷 幸雄 J-STAGE
46-1還流付電気透析法による同符号イオンの分離に関する研究I 理論的検討大矢 晴彦, 袴家 淳雄, 平岡 康伸 J-STAGE
47-1還流付電気透析法による同符号イオンの分離に関する研究II チーズホエーの脱塩に関する考察平岡 康伸, 袴家 淳雄, 大矢 晴彦 J-STAGE
47-4バイポーラ膜における整流作用と水の解離谷岡 明彦, 清水 孝二 J-STAGE
47-4イオン交換膜界面で生じる水分子の電気化学的解離田中 良修 J-STAGE
47-64-ビニルピリジン-スチレン共重合体膜を通してのBi-ionic Potential清野 竜太郎, 桑下 明弘, 西沢 匡弘, 山口 雅義, 田坂 雅保 J-STAGE
48-34-ビニルピリジン-スチレン共重合体膜を通しての熱膜電位清野 竜太郎, 桑下 明弘, 田中 裕二, 田坂 雅保, 関口 治 J-STAGE
49-6イオン交換膜の膜伝導度測定法の比較須藤 雅夫, 山本 潤 J-STAGE
50-6Properities of Anion Exchange Membranes with Various Pyridinium Groups as Anion Exchange GroupsToshikatsu SATA, Yasuhiko KAKUYAMA, Koji MATSUSAKI, Yasuhiro KAGIYAMA, Fumito KISHIMOTO J-STAGE
53-2電気透析に於けるイオン交換膜の同符号イオン間選択透過性に関する研究佐田 俊勝 J-STAGE
52-6微孔膜限界電流値法によるイオン交換膜の動的輸率測定法須藤 雅夫, 居波 永治 J-STAGE
57-5イオン交換膜の製膜時におけるミクロ相分離構造の制御扇澤 敏明, 内野 雄二郎, 久保山 敬一 J-STAGE
63-2荷電膜物性の電気化学的評価山崎 信哉,中里 真弓,山内 昭 J-STAGE
65-5荷電膜におけるイオン輸送現象に関する研究谷岡 明彦 J-STAGE
67-2イオン交換膜の構造と機能に関する基礎研究須藤 雅夫 J-STAGE
70-2Fouling Evaluation of Anion-exchange Membranes in Electrodialysis SystemsMitsuru HIGA, Ryosuke HIRONAGA, Keita TAKAMURA, Masanao CHINEN J-STAGE
70-5Characterization of Cation-exchange Membranes Prepared from PVA-based Block CopolymersMitsuru HIGA, Taiko MIZUNO, Marika ANNO J-STAGE
70-6Preparation of Cation-exchange Membranes from Polylsulfone with Poly (sodium p-styrenesulfonate) Graft ChainsYuriko KAKIHANA, Kouhei UKAI, Mitsuru HIGA J-STAGE
巻-NOタイトル著者文献リンク
45-1太陽光発電利用電気透析淡水化システムについて井上 節夫, 相馬 伸義, 石田 哲義 J-STAGE
45-2イオン交換膜における最近の進歩赤沢 道博, 黒田 修, 田中 哲郎, 田中 良修, 花田 文夫, 浜野 利勝 J-STAGE
45-5中国におけるイオン交換膜の研究・技術開発動向山内 昭 J-STAGE
47-4イオン交換膜電気透析法の今後の課題妹尾 学 J-STAGE
47-2イオン交換膜電気透析における同符号イオン間選択透過性佐田 俊勝 J-STAGE
47-2イオン交換膜電気透析槽の高効率化に関する研究黒田 修 J-STAGE
49-1イオン交換膜技術に関する最近の動向(その1)糸井 滋, 大久保 和也, 川口 明廣, 川嶋 武人, 小暮 誠, 須藤 雅夫, 田中 良修, 廿楽 和夫, 寺田 一郎, 松永 義則, 三好 浩文, 吉田 章一郎 J-STAGE
49-5中国における電気透析技術と応用張 維潤 J-STAGE
49-5イオン交換膜技術に関する最近の動向(その2)糸井 滋, 大久保 和也, 川口 明廣,川嶋 武人, 小暮 誠, 須藤 雅夫,田中 良修, 廿楽 和夫, 寺田 一郎,松永 義則, 三好 浩文, 吉田 章一郎 J-STAGE
52-2イオン交換膜技術に関する最近の研究動向(その1)糸井 滋, 小暮 誠, 須藤 雅夫, 田中 良修, 寺田 一郎, 野間 義昭, 堀江 浩文, 吉田 章一郎 J-STAGE
52-5イオン交換膜技術に関する最近の研究動向(その2)糸井 滋, 小暮 誠, 須藤 雅夫, 田中 良修, 寺田 一郎, 野間 義昭, 堀江 浩文, 吉田 章一郎 J-STAGE
55-5イオン交換膜技術に関する最近の研究動向(その1)正司 信義, 須藤 雅夫, 田中 良修, 谷岡 明彦, 花田 文夫, 三好 浩文, 山内 昭, 吉田 章一郎 J-STAGE
56-1非電解質存在下での荷電モザイク膜を介した電解質輸送福田 高士, 山内 昭 J-STAGE
56-2荷電モザイク膜に関する最近の研究動向山内 昭 J-STAGE
57-4海水の有効利用における機能性荷電膜の役割とその展望山内 昭 J-STAGE
62-3水・塩の安全性と陰イオン交換膜比嘉 充, 西村 恵美 J-STAGE
63-5最近の脱塩用イオン交換膜比嘉 充, 西村 恵美 J-STAGE

3. イオン交換膜による海水濃縮、脱塩

巻-NOタイトル著者文献リンク
41-1イオン交換膜法製塩電槽の新技術小淵 康利, 戸井 興一, 花田 文夫, 篠塚 英夫 J-STAGE
42-1クウェート国におけるイオン交換膜法製塩および電解プラントの概要冨田 篤志 J-STAGE
48-6イオン交換膜法食塩電解における塩水精製相川 洋明 J-STAGE
49-2日本の製塩技術とその課題廿楽 和夫 J-STAGE
52-6調味料製造における脱塩技術川喜田 哲哉 J-STAGE
53-1高濃度塩濃縮における膜の問題点谷岡 明彦 J-STAGE
57-2高濃度塩濃縮に関する一考察山内 昭, 江原 亮, 吉田 章一郎 J-STAGE
59-4イオン交換膜の高性能化による製塩コスト低減効果に関するシミュレーション吉川 直人 J-STAGE
62-2製塩技術開発の現状と将来吉川 直人,渕脇 哲司 J-STAGE
65-1A Survey of Seawater Desalination in Asia TodayDong Fei LI, Willy YEO J-STAGE
65-1電子線グラフト重合法を適用した1価イオン選択透過性をもつ製塩用陽イオン交換膜の作製石森 啓太, 宮澤 忠士, 浅利 勇紀, 三好 和義, 梅野 太輔, 斎藤 恭一, 水口 和夫, 有冨 俊男, 吉江 清敬 J-STAGE
66-5製塩用次世代イオン交換膜の研究開発吉川 直人 J-STAGE

4. イオン交換膜のその他の応用

巻-NOタイトル著者文献リンク
41-2レドックス・フロー型電池小沢 丈夫 J-STAGE
42-4乳業における電気透析法の応用平岡 康伸 J-STAGE
44-2イオン交換膜を用いた多室型透析電池の特性 膜法による濃度差エネルギーの電気的エネルギーへの変換(第3報)大矢 晴彦, 矢田 和之, 広石 勝徳, 根岸 洋一 J-STAGE
44-6イオン交換膜を用いた多室型透析電池のスケールアップ 膜法による濃度差エネルギーの電気的エネルギーへの変換(第4報)大矢 晴彦, 渡辺 誠一, 広石 勝徳, 根岸 洋一 J-STAGE
45-1イオン交換膜をSPEとして用いる電気化学プロセス竹中 啓恭 J-STAGE
47-1限界電流密度に与える赤潮の影響 イオン交換膜電気透析における赤潮の動態(第1報)小暮 誠, 佐藤 利夫, 田中 龍夫, 田中 良修, 鈴木 喬 J-STAGE
47-4バイポーラ膜による水分裂(Water Splitting)技術の応用川原 拓夫 J-STAGE
47-4イオン交換膜の応用松永 義則 J-STAGE
48-2錯化剤を含む希土類金属溶液の電気透析における限界電流密度高橋 博, 平渡 末二, 三輪 広治, 菊地 賢一 J-STAGE
50-3イオン交換膜電気透析法の殺菌機構佐藤 利夫, 秋葉 道宏, 川口 明廣, 鈴木 喬, 大矢 晴彦 J-STAGE
51-3簡易型電気透析殺菌装置による河川水の殺菌佐藤 利夫, 秋葉 道宏, 鈴木 喬, 大矢 晴彦 J-STAGE
54-2濃縮海水を用いた透析電池における排熱のエクセルギー変換効率 膜法による濃度差エネルギーの電気的エネルギーへの変換(第5報)大矢 晴彦, 土屋 信介, 澤本 眞次郎, 竹内 隆, 田村 真紀夫 J-STAGE
56-3電気再生式脱塩システム―新しい超純水製造法吉田 章一郎, 渡辺 正, 内野 肇 J-STAGE
58-2白金電極間に充填されたNa形陽イオン交換樹脂層内のイオン過程のインピーダンス解析岩元 和敏, 妹尾 学 J-STAGE
58-2電気式脱塩装置におけるイオン交換体の再生を最適化する研究高橋 洋平, 中西 収, 秋山 徹, 藤原 邦夫 J-STAGE
58-2樹脂配列による電気再生式脱塩装置の最適化宮松 徳久, 谷岡 明彦 J-STAGE
58-2EDIにおける弱電解質の除去野口 幸男 J-STAGE
58-2EDIの応用例金澤 直也, 元木 敏 J-STAGE
58-2EDIの数値シミュレーション菊地 賢一, 高橋 博 J-STAGE
58-2電気脱イオン法の超純水製造装置への応用森部 隆行 J-STAGE
60-1濃度差電池岩元 和敏 J-STAGE
64-6イオン交換膜法かん水の濃縮過程における溶液物性推定モデルの検討正岡 功士, 加留部 智彦, 中村 彰夫 J-STAGE
65-6Organic Fouling Properties of Anion-exchange Membranes with Various Electrodialysis ConditionsNobuyuki TANAKA, Mitsuru HIGA J-STAGE
66-1南米塩湖かん水からのリチウム回収技術開発渕脇 哲司, 鴨志田 智之, 長谷川 正巳 J-STAGE
66-5逆電気透析の原理と技術開発動向比嘉 充, 藤井 将矢, 岡川 直紀 J-STAGE
66-5荷電膜における対イオンの局所構造岡田 哲男, 原田 誠 J-STAGE
67-4梅酢の脱塩と梅塩の製造について―調味梅製造工程における調味料の脱塩による再利用を目指して―岩橋 千愛, 金山 裕亮, 東 順一 J-STAGE
68-5逆電気透析発電の技術開発動向比嘉 充 J-STAGE
69-6電気透析技術を用いた革新的省エネルギーCO2分離回収法谷口 育夫 J-STAGE
70-2Power Generation of a Large Reverse Electrodialysis (RED) System Based on a Commercial ED StackMitsuru HIGA, Tomoyuki SAKURADA, Hitoshi TAKEMURA J-STAGE
70-5酸性側pHステップを有するバイポーラー膜電気透析の開発髙橋 博, 東 智浩, 菅原 祐也, 樫内 悦子 J-STAGE

5. 機能膜の開発と応用

巻-NOタイトル著者文献リンク
47-4ドナン透析膜のイオンと溶媒の輸送特性須藤 雅夫 J-STAGE
47-4放射線グラフト重合法による分離機能膜の開発須郷 高信 J-STAGE
47-4フッ素系イオン交換膜の開発と食塩電解若松 久嗣, 片寄 満, 白木 弘之 J-STAGE
49-2膜に関する最新の研究浦上 忠 J-STAGE

6. 周辺分野の話題

巻-NOタイトル著者文献リンク
47-4圧透析による塩濃縮山内 昭 J-STAGE
47-5MMA/CMS共重合体を母体とする未架橋の陰イオン交換膜の性質林 美枝, 荒木 孝二, 高井 信治 J-STAGE
49-2膜製品に関する企業における最新の研究関野 政昭, 福田 卓司 J-STAGE

問い合わせ先

(公財)塩事業センター
永谷 剛 ta-nagatani◎shiojigyo.or.jp(メール送信の際、◎は@に変えてください。)