Kブックスシリーズ186
日本海水学会 編
B6判・296頁
本体価格 2,300円
発行:工業調査会

われわれの生活において、「海」は切っても切れない関係を持っている。「海」の二大成分である「水」と「塩」を考えてみても、両者とも人間を含む生物にとって必須のものである。本書は、「海の資源と環境」をテーマとして、Q&A形式により、「海」のおもしろさ、役割、大事さをまとめた。

〈編集委員長〉吉田 章一郎

〈編集委員〉有田 正俊・尾上 薫・加藤 俊作・武本 長昭・津田 健

〈目次〉

第1章 海のあれこれ(海はなぜ青いのですか?/海の色が場所によって違って見えますが、どうしてですか?/海はとても広いですが、海水はどのくらいありますか?/海洋では水の大循環が起こっていると聞きますが、どのようになっているのですか?/海流はどうして起こるのですか?/海水はどのようにしてできたのですか?/海水にどんなものが溶けていますか? また、場所や深さで違いがありますか?/どうして海水は地中にしみ込んで無くなったりしないのですか?/水の温度は場所や深さで違いがありますか?/いま海洋深層水が注目されていますが、表層の海水とどこが違うのですか?/海水が凍って出来た海氷、氷山や流氷は塩辛くないのですか?/海水や塩が付くと錆びやすいのはなぜですか?)

第2章 海水に溶けている資源と水(海水に溶けている資源で、実際に利用されているものは何ですか?/海水に溶けている資源で、将来利用できそうなものは何ですか?/塩は海水からつくると言われていますが、どんな方法がありますか?/つくり方が違うと性質の違った塩ができるのですか?/いろいろな種類の塩が売られていますが、どこが違うのでしょうか?/塩分(食塩)を摂り過ぎるとなぜ体にわるいのですか?/海水中の成分で健康によい成分はなんですか?/「天然塩は塩化ナトリウム分が少なく,身体にいい」というのは本当ですか?/塩分が必要なのは哺乳類だけですか?/塩化ナトリウムって、栄養になるのですか? それを主食にしている生物はいますか?/減塩すれば血圧は下がるのでしょうか?/スポーツ飲料などに塩分が入っているのはなぜですか?/岩塩はどのようにしてできたのですか? 埋蔵量はどのくらいですか?/岩塩にはいろいろ色がついたものがありますが、どうして色がついているのですか? 普通の塩に色をつけることはできますか?/海水をそのまま飲み水や農作物に使えないのはなぜですか? 海で遭難したとき、海水を飲み続けるとどうなりますか/海水を飲み水(真水)にするにはどんな方法がありますか? また長期間航海する船では飲料水はどうやって確保しているのですか?/日本の淡水化技術は非常に優れていると聞いていますが、どのように優れているのですか?/海水からつくった真水を生活や農業に使っている所がありますか?/海洋深層水からつくった製品がたくさんありますが、どんな特徴がありますか?/深いところにある海洋深層水は、どのようにして汲み上げているのですか?)

第3章 海の生物と海底の資源(地球生命は、どのようにして、いつ頃誕生したのですか? また誕生の場は海ですか?/海水は塩分をたくさん含んでいるのに、海の魚や動物が塩辛くないのはなぜですか?/塩分の多い海水の中で、マングローブやアマモが枯れないのはなぜですか?/ふぐ毒や貝毒はどのようにしてできるのですか?/海藻が身を守るために出す忌避物質というのはどんなものですか?/サンゴはどのようにして骨格をつくるのですか?/サンゴが被害を受けたニュースを耳にしますが、どのようになるのですか?/海の生物には特別な元素をため込むものがあるそうですが、どんな生物が、何のために、どんな方法でため込むのですか?/フジツボなどが船の底や海水を汲み上げるポンプなどに付くとどんな害が起こるのですか? いまどんな対策がとられているのですか?/深海は生物も棲まない暗黒の世界なのですか?/海底には鉱物資源がたくさん眠っていると言われていますが、どんな資源がありますか? また、どのようにして調べるのですか?/海底の鉱物資源はどんな方法で採るのですか? いつ頃採れるようになりますか?/海の底にあると言われる「燃える氷」の正体は何ですか? 危険はないのですか?/海底の「燃える氷」は簡単に利用できるのですか?)

第4章 海の環境を知る(海水は弱いアルカリ性と言われていますが、なぜですか?/海水にはどれくらいの二酸化炭素が溶けていますか? それは、地球の温暖化と関係がありますか?/雨が降ると海水の塩分は薄まるのですか? また、海水の塩は山からやってくるそうですが、どうして海の塩分は濃くならないのですか?/「赤潮」や「青潮」の正体は何ですか? どんな害があるのですか?/「磯焼け」とはどんな現象ですか? それはなぜ起きるのですか?/エルニーニョで海水の温度は大きく変わるといわれますが、なぜ変わるのですか?/エルニーニョが発生すると、なぜ洪水やかんばつ旱魃などの異常気象が起きるのですか?)

第5章 海の環境を守る(海には自然の浄化作用があると言われていますが、どのような働きがあるのですか?/海水の汚染はどのくらい進んでいるのですか? どんな対策がとられているのですか?/ときどき油の流出事故がおこりますが、どんな影響が出るのですか? どのような対策がとられているのですか?/海を汚した有害なものの中には海の生物に貯まっているものがあるそうですが、どれくらい調べられていますか?/環境ホルモンというものにはどんな害があるのですか? どんな対策がとられていますか?/海の近辺では「塩害」があるとよく聞くのですが、塩害とはなんのことですか? また、どうやって塩が運ばれてくるのですか?/海底は海の環境とどんな関係がありますか?/海砂の採取が全面禁止されようとしていますが、どんな影響がでてきているのでしょうか?/干潟には大切な働きがあると言われていますが、どんな働きですか? 長崎の干潟が問題になっていますが、どんな影響がでているのですか?/山が荒廃すると、なぜ海の環境に悪い影響があるのですか?)