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当学会は昭和25年に設立された日本塩学会を前身とし60年以上の歴史を持っています。昭和40年には領域拡大を目指して日本海水学会と改名し、「海水科学」を共通の基盤とする多くの分野の研究者が、互いに交流を深め協力し合って、地道な活動をしているユニークな学会です。

「海水科学」には海水を資源として取り扱う資源科学分野、海水と地球環境とのかかわりを取り扱う環境科学分野、海水と生命活動とのかかわりを取り扱う生命科学分野がありますが、これまで、特に資源科学分野の活動に重点を置き、大きな成果を挙げてきました。たとえばイオン交換膜電気透析法の研究によって、日本の製塩工場の革命的な変革に貢献し、さらに逆浸透法やフラッシュ蒸発法等の研究によって、中東など各地での水供給に貢献しました。

現在「海水」あるいは「海洋」の重要性が再認識され、内外でいろいろな活動がなされていることはご存知のとおりです。当学会でもこれまでの蓄積を活用しながら今後活動の幅を広げて、資源科学の分野のほかに、環境科学、生命科学、さらには調理・食品科学の諸分野の活動にも力を入れたいと考えています。そしてそのために、従来にも増して多くの分野の研究者が当学会に参加し、活動されることを期待しています。

当学会の学会誌は、会員の協力と編集委員やレフリーなど関係者の熱意のおかげで、内容の質や掲載のスピードなどの点で評価されてきました。さらにこれからの新しい活動の展開によって、環境科学、生命科学や調理・食品科学の分野での内容が、さらに充実できると考えています。

当学会は、さまざまな立場で研究開発を支援する企業や団体と緊密な協力関係にあることも、特徴の一つです。とくに平成6年に西日本支部を設立し、地域の活力を活かした活動を展開しています。このような当学会に、海水に関心のあるより幅広い研究者・技術者や企業などがぜひ積極的に参加され、今後展開する当学会の新しい活動の推進役になっていただくことを強く希望しています。